山形地方裁判所新庄支部 昭和45年(わ)11号 判決 1970年9月25日
主文
被告人小林とよ子を懲役四年六月に、
被告人玄悦弘を懲役三年及び罰金二万円に、
被告人文貞阿を懲役三年六月に、
被告人金花子を懲役二年六月に、
被告人玄吉子を懲役三年及び罰金五、〇〇〇円に、
各処する。
未決勾留日数中、被告人小林とよ子に対しては七〇日を、被告人玄悦弘、同文貞阿、同金花子、同玄吉子に対しては、各一〇〇日を、それぞれ右各懲役刑に算入する。
被告人玄悦弘、同玄吉子において、右罰金を完納することができないときは、被告人玄悦弘につき金一、〇〇〇円を、被告人玄吉子につき金五〇〇円を、それぞれ一日に換算した期間、右各被告人を労役場に留置する。
理由
(罪となるべき事実)
第一、常習特殊窃盗罪
一、被告人小林とよ子、同玄悦弘、同文貞阿、同玄吉子は、佐藤敬子と共謀して、昭和四四年三月一五日午後二時すぎころ、千葉県船橋市本町二の一二一六番地株式会社十字屋船橋店三階呉服売場において、同店店長今野芳雄管理の絵羽織一八枚(時価合計一五万八、四〇〇円相当)を窃取し、
二、被告人小林とよ子、同玄悦弘、同文貞阿は、
(一) 佐藤敬子と共謀して、昭和四四年四月五日午後二時ころ山形県米沢市中央二丁目四番三号株式会社十字屋米沢店二階呉服売場において、同店々長荒木信弥管理の正絹絵羽織一〇枚及び附下げ小紋一〇反(時価合計四一万五、五〇〇円相当)を窃取し、
(二) 共謀して、同月六日午後一時ころ、山形県鶴岡市本町一丁目二の六時計商伊藤源治郎方店舗において、同人所有の婦人用指輪八個(時価合計四八万一、八〇〇円相当)を窃取し、
三、被告人小林とよ子、同玄悦弘、同文貞阿、同金花子、同玄吉子は、共謀して、昭和四四年四月二八日から同四五年五月一〇日までの間別紙犯罪一覧表記載のとおり、一五回にわたり、青森市新町一丁目一三の二「長武田デバート三階高級和装品売場ほか一四ケ所において、武田貞助ほか一四名所有又は管理の女物長紋付二四枚ほか衣類等三九九点(時価合計八四二万〇、七三〇円相当)を窃取し、
もつて、常習として二人以上現場において共同して窃盗の罪を犯したものである。
第二、道路交通法違反の罪
被告人玄悦弘は、呼気一リツトルにつき、〇、二五ミリグラム以上のアルコールを身体に保有し、その影響により正常な運転ができないおそれがある状態で、昭和四五年三月二九日午前三時〇分ころ、横浜市神奈川区神奈川通り六ノ二〇六付近道路において、普通乗用自動車を運転したものである
第三、外国人登録法違反の罪
被告人玄吉子は、朝鮮に国籍を有する外国人で外国人登録証明書の交付を受けているものであるが、昭和四五年五月一〇日午後〇時すぎころ山形県酒田市大字落野目字広田池内国道七号線両羽橋上において、その登録証明書を携帯していなかつたものである。
(証拠の標目)(省略)
(法令の適用)
一、被告人全員につき、
盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律二条二号、刑法二三五条、六〇条、二一条
二、被告人玄悦弘につき、
昭和四五年法律八六号道路交通法の一部を改正する法律付則六項により、同法による改正前の道路交通法六五条、一一七条の二、一号昭和四五年政令二二七号道路交通法施行令の一部を改正する政令付則五項により、同令による改正前の道路交通法施行令二六条の二、(罰金刑選択)、刑法四五条前段、四八条一項、一八条
三、被告人玄吉子につき、
外国人登録法一三条一項、一八条一項七号(罰金刑選択)、刑法四五条前段、四八条一項、一八条
四、被告人金花子につき、
刑法六六条、七一条、六八条
(結論)
よつて主文のとおり判決する。
犯罪一覧表(省略)